日向月光館

日々徒然。恵陽の日常と本館零れネタ。
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僕僕 1

僕僕 ボクというシモベ
1


師匠は師匠らしくあるべきだ。
よくわからないうちに弟子になってしまった僕には師匠が何の師匠かすらわかっていない。よくわからないがとりあえず僕は親にこの身を売られたということだけはわかる。
貧乏暇なし兄姉六人の末生まれ。役に立たない僕だから、邪魔になったのもわかるし、他の人間に養わせるというのも一つの手段だ。理解している。
ただ師匠が何の師匠なんだかそれだけは教えて欲しかった。僕が師匠と暮らし初めて二週間経つが、師匠はただ食べるか寝るか僕をからかうかしかしていない。あとは数日おきにくる野菜売りと談笑しているくらい。どうやら知り合いらしい。
此処は深い森の奥で、近くに集落はない。その野菜売りがいなければきっと僕も師匠も既に飢えている。 それに師匠の容姿はとても目立つ。深い森にいるのはそのせいだろう。
師匠は腰のあたりまである赤い髪をゆるく括っている。顔は半分くらいその髪のせいでみえない時が多い。朝寝ぼけ眼の師匠と初めて会った時は毛のお化けがいると思った。しかも真っ赤だから血かと思って叫んでしまった。
とにかくそんな感じで暮らしているんだけど、どうしても最初の疑問に戻ってくる。
だからとりあえず一つだけ確認しておきたいと僕は顔を上げた。
「師匠」
「あ?」
長い髪が揺れる。
「師匠にとって僕って何ですか?」
弟子だと言ってくれたらいいのだが。
師匠は興味深そうに僕を見つめ、少し笑う。
「お前は僕」
「……シモベ?」
「そう。私のかわいい僕にして弟子にして嫁だ」
にやにやとする師匠に僕は返す言葉が見つからない。というか呆気にとられて言葉がない。
「し、シモベ? で、嫁?」
「聞いてないのか? お前の母親が嫁に如何ですかと家を訪ねてきたんだぞ。一人で暮らすのも飽きたからいいかと思って、弟子にするついでに嫁にしようと思ったんだ」
なんのことだかわからない。師匠は何を言っているんだ。混乱で頭を抱える僕に師匠は尚も楽しそうにしている。
僕は一体どうすればいいんだろう。


★☆☆☆☆

ブログが記事止まっているので定期的に掌編書いて投稿しようかと。まあそのお試し版です。
次回はあるかなあ。

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